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どの絶滅危惧空間を扱うのか(300文字以内)
対象はラブホテルである。
ラブホテルは、匿名性や隔離性を特徴とする都市空間として発展してきた。しかし近年はマッチングアプリの普及やライフスタイルの変化により、その役割や存在意義が変化しつつある。
本提案は、かつて都市の中で最も閉じた空間であったラブホテルを対象とする。
個室を完全に分離するのではなく、宙に浮かぶ客室群をワイヤーと階段で連結し、一室の振動が建物全体へ伝わる構造へ変異させる。
隔離のための建築を、共振のための建築へと再定義する提案である。 -
なぜその絶滅危惧空間を扱うのか(600文字以内)
ラブホテルは都市の中でも特異な空間である。
利用者は他者との接触を避け、匿名のまま滞在することができる。建築はそのために発達し、遮音壁や独立した動線によって他者の存在を徹底的に消してきた。
しかし現代社会では、人と人との接続そのものがデジタル化されている。マッチングアプリやSNSによって他者の情報は容易に取得できる一方で、身体的な存在感を感じる機会は減少している。
私は、ラブホテルの衰退は単なる利用者数の変化ではなく、「他者との身体的距離の変化」を象徴していると考えた。
そこで本提案では、匿名性というラブホテルの特徴を残しながら、他者の存在だけを振動として共有する空間を考えた。
顔も名前も見えない。
会話も交わさない。
しかし建物のどこかに誰かがいることだけは、床や壁の揺れによって身体が理解する。
ラブホテルという絶滅危惧空間を通して、失われつつある身体的なつながりを再考することが本提案の目的である。 -
どのようにその絶滅危惧空間を変異させるのか(1200文字以内)
FLOATING LOVE HOTELでは、従来のホテル建築を構成していた床と廊下を取り払う。
建物内部には5階から地下1階まで吹き抜けの巨大な空間が広がり、その中に正方形の客室ボックスが浮遊する。
各客室はワイヤーやダンパーによって吊り下げられ、さらに客室同士は階段によって接続される。利用者は階段を上り下りしながら目的の部屋へ向かう。
一階には受付のみを配置し、地下1階にはレールシステムを設ける。客室はレールによって位置を微調整しながら全体のバランスを保つ。
この構造によって、一室で発生した振動はワイヤーや階段を介して他の客室へ伝達される。
建物全体は巨大な楽器や地震計のように振る舞い、誰かの動きや存在が微細な揺れとして共有される。
利用者が感じるのは、地震時のエレベーターや吊り橋のような不安定な感覚である。
しかしその揺れは危険ではなく、建物内に存在する見知らぬ他者の気配を知らせるメディアとなる。
従来のラブホテルが「他者を消す建築」だったとすれば、本提案は「他者の存在を振動として可視化する建築」である。
個室は孤立しながらも接続される。
FLOATING LOVE HOTELは、ラブホテルを都市の感情を伝達する巨大な共振装置へ変異させる提案である。
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FLOATING LOVE HOTEL 共振する振動
ラブホテルは本来、隣室の存在を消すための建築である。
壁は音を遮断し、利用者は他者と接触することなく滞在する。
FLOATING LOVE HOTELでは、その構造を反転させる。
建物から床を取り払い、すべての客室を宙に浮かぶ正方形のボックスとして構成する。客室同士は無数のワイヤーと階段によって接続され、一室で生じた微細な振動は建物全体へと伝播していく。
利用者は互いを見ることも会話することもない。
しかし誰かが存在することだけは、揺れとして身体に伝わる。
それは地震時のエレベーターのような、原因のわからない不安定な感覚である。
このホテルは、孤立した個室の集合体ではなく、都市の感情が共振するひとつの身体として存在する。
壁は音を遮断し、利用者は他者と接触することなく滞在する。
FLOATING LOVE HOTELでは、その構造を反転させる。
建物から床を取り払い、すべての客室を宙に浮かぶ正方形のボックスとして構成する。客室同士は無数のワイヤーと階段によって接続され、一室で生じた微細な振動は建物全体へと伝播していく。
利用者は互いを見ることも会話することもない。
しかし誰かが存在することだけは、揺れとして身体に伝わる。
それは地震時のエレベーターのような、原因のわからない不安定な感覚である。
このホテルは、孤立した個室の集合体ではなく、都市の感情が共振するひとつの身体として存在する。
