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Breathing Boundary / 呼吸する境界 喫煙所から、都市の“見えない蚊帳”へ。

駅前喫煙所を「空気環境制御型インフラ」として再定義する。

現在の喫煙所は、有害な煙を隔離するための装置として都市から排除されつつある。しかしその構造には、換気、吸引、排気、滞留制御など、すでに“空気を制御する建築的機能”が備わっている。

本計画では、その既存構造を転用し、人に有害な煙を周囲へ拡散するのではなく、内部で即座に吸引・浄化する負圧型システムへ更新する。
さらに、排気や気流制御を利用し、駅前広場に微弱な空気循環を生み出すことで、蚊や小さな虫が近づきにくい微環境を形成する。

蚊は二酸化炭素、湿度、熱、空気の流れに敏感であり、弱い乱流や温度差によって行動範囲が変化する。
その特性を利用し、微気流、植栽、天然由来の忌避成分、温湿度調整を組み合わせることで、殺虫ではなく「人と虫の距離を調整する空気環境」を設計する。

これは単なる喫煙設備ではない。
空気・熱・気流・生態系を調整する小さな都市インフラである。

また本提案は、喫煙行為そのものを推奨するものではなく、将来的に喫煙人口が減少した後も、喫煙所という都市装置の構造を別用途へ転用し続けることを想定している。

かつて煙を吐き出していた場所を、未来の都市では、人と環境の境界を調整する「呼吸するインフラ」へ変異させたい。

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