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公募企画vol.3 「こどもを夢中にさせる新発明!」をプロトタイプで検証! -佐藤ねじさん率いるブルーパドルのプロダクト会議-

2018/07/18(水)

レポート

本企画は、新たなモノづくりやコトづくりに挑戦する人たちのためのプラットフォーム「Wonder FLY」と、クリエイティブなコンペティションやハッカソンを紹介するプラットフォーム「AWRD」のコラボレーションによるクリエイティブアワードです。


こどもを夢中にさせる新発明! 〜スマホに代わるこどもの夢中アイテムを募集〜
募集期間:2018/06/15(金) - 2018/07/31(火)


本アワードのバトルクリエイターとして参加している、人気クリエイター佐藤ねじさん率いるブルーパドルの制作プロセスを、これまで「アイデア会議」「プロダクト会議」と公開してきましたが、今回で最終回。前回までのアイデアをプロトタイピング(試作)し、実際にお子さんに遊んでもらい検証してみました。


第2回の「こどもを夢中にさせるプロダクト会議」に続いて、第3回はアイデアをもとに試作を作ってみる「プロトタイプ検証」です。
※第2回:いよいよ具体化!「こどもを夢中にさせるプロダクト会議」


VS クリエイター 
佐藤ねじさん率いるブルーパドル:メンバープロフィール

佐藤ねじ

1982年生まれ。プランナー/アートディレクター。面白法人カヤックを独立→Blue Puddle Inc.設立。「空いてる土俵」を探すというスタイルで、WEBやアプリ、デバイスの隙間表現を探求。代表作に『5歳児が値段を決める美術館』『変なWEBメディア』『Kocri』『しゃべる名刺』『貞子3D2』『レシートレター』など。日経BPより「超ノート術」を出版。

深津康幸

1981年生まれ。様々なデジタルコンテンツの企画、ディレクションを担当。テクノロジーやデバイスを用い、アイディアを掛け合わせた独自のプロジェクトを数多く手がける。カンヌライオンズ他、国内外の受賞多数。

あけたらしろめ

プロダクトデザイナーとして7年間、音響機器メーカーTEACに勤め、2018年からBlue Puddleにデザイナーとして入社。個人でもモノクロのイラストレーションでツイッターを中心に作家活動を展開。

Blue Puddle Inc.

2016年7月、面白法人カヤックから独立した、佐藤ねじ・深津康幸で設立。WEB、アプリ、デバイス、インスタレーションなどデジタルコンテンツの企画制作をしている。私たちの目的はただ1つ。世の中でまだ見つかっていない、空いてる土俵「ブルーパドル」を1つでも多く発見していくこと。

https://blue-puddle.com/


市販のものでOK! プロトタイプを作ってみよう

前回のラフスケッチをもとに、市販のパーツを組み合わせてプロトタイプを作成しました。


いたいのいたいのとんでけ〜

痛みを乗せて飛ばすフリスビーとボール、また折り紙で紙飛行機を作り、“いたーい顔をした”イラストを描き込みました。


PAPAPARK(パパパーク)



登山用リュックのベルト部分を体に装着し、頑丈なカラビナ(引っ掛ける金具)を両肩に掛け、太い縄を垂らします。腰には頑丈なグリップ、背中には足をかけることができる鉄製の板をかけて、深津さんの身体をボルダリングのように登れるようになっています。さらに正面の腰にミニバスケットゴールも装着しました。


すべり台は足が通せるようにプラスチックの薄い板を筒状に成形し、さらに足先にはサンダルがついています。プロトタイプの段階から、視覚的にどうやって装着するかわかるように工夫されていました。


太くて頑丈なプラスチック製のパイプ棒を、1人で支えて登り棒、2人で持って鉄棒、縄をくくりつけてブランコにしました。鉄棒を左右の高低差を出して、ターザンごっことしても使いました。

実際に作ってみてわかったことは、「安全性を考えるとサイズが大きくなり、硬い素材になってしまう」ということ。そこから、外へ持ち運ぶのは難しいということがわかりました。


果たしてこどもは夢中になるのか?! 検証スタート

大人が頭をひねって考えたアイデアのプロトタイプに、果たして子どもは思うように夢中になるのでしょうか?  
今回は2人のおこさま、小学1年生7才の男の子と、1才3ヶ月の女の子に協力していただきました。


まずは1歳の女の子から。


まだ人見知りもなく、興味のある人・モノを見つけると積極的に動いて笑顔を振りまいていきます。

普段から公園でお気に入りの遊具であるすべり台は、しろめさんに抱えられてご満悦の表情。ただ、見るもの触れるものに興味が湧く1歳児さんは、縦横無尽に歩き回ります。足を固定したしろめさんは追いかけられず、夫婦もしくは大人が2人以上必要でした。


ブランコと鉄棒はまだ遊んだことがないので、みんなで遊び方を教えます。なんとなく遊び方を真似しつつ、違う遊び方になってしまったり……大人たちは一喜一憂。そこでは、1歳児さんの年齢では掴まる力はあっても、パイプが太すぎるため握れず、対象年齢によってパーツのサイズ感が大事という発見がありました。


プロトタイプのなかでも特に、掴んで入れてを繰り返すバスケットゴールに夢中になっていました。普段おもちゃで遊ぶときはその対象に注意を向けますが、バスケは対面で親子コミュニケーションが取れるということがいいポイントでした。


「いたいのいたいのとんでけ〜」はあまり反応なし。これは幼すぎても大きくなりすぎても難しいので、何才くらいの子が反応するのか検証が必要そうでした。

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次は、小学1年生7歳の男の子の出番。登場からエネルギー全開です。




まずはブランコに挑戦です。遊び方を知っているため、仕組みを理解して遊ぶことができました。座り漕ぎ、立ち漕ぎなど楽しみながら遊びながらも、「漕ぎづらい」と少し苦い顔を見せました。





ボルダリングは紐の部分がすべってしまい、安全性確保の必要性を感じました。今日はヘルメット装着で検証開始。少し身長がありますが、最後は頭頂部まで登り肩車の状態でフィニッシュ。



すべり台は、1歳児さんに対して身長が高いため、胴体まで長さががないと難しい、という気づきがありました。登り棒も高さが足りない印象を受け、身長と遊具の設計に密接な関係があることがわかりました。



男の子が一番夢中になったのは鉄棒です。オーソドックスな前回りから、「鉄棒が逃げる」という体験が新鮮だったようで、大人たちに「動いてー」と要望。また、ボルダリング用の縄で棒を滑るターザンごっこも大興奮。「登る」という体験が、男の子は夢中になるようでした。


最後に、男の子にどの遊び方が楽しかったか、ランク付けをお願いしました。


1位:鉄棒とターザンロープ
2位:ボルダリング
3位:バスケとブランコ
4位:すべり台
圏外:いたいのいたいのとんでいけ〜  ※小学生の男の子には効きませんでした。

全体評価は「60点」と辛口評価かと思いきや「結構楽しい」とのこと。好感触で検証を終えることができました!


体験の気づきから、ブラッシュアップの方向性を考える

実際のプロトタイプを子どもたちに遊んでもらい、いといろと気づきが多かったようです。 


2人の子どもたちを見ていて、子どもの対象年齢の設定が難しいなと思いました。今回のアイデアだと3才くらいの子どもが一番良さそう、という印象を受けました。

幼い子どもは遊ぶ時に大人が2人以上必要だったことから、夫婦のコミュニケーションなどにも良さそう。子ども自身も何となく遊び方をわかるようになってきたので、これをきっかけに覚えてくれそうでした。遊具側がもっと動けるようになるといいなと思いました。


自分の運動になってよかった(笑)。特にボルダリングとして登られるのはだいぶ筋肉にききました。また、装備を一式装着するのは案外しっくりします。抱っこ紐もつけて出歩くように、つけて遊びに行くのは違和感がないように思いました。

アタッチメントによって遊び方を変えられるのもよかった。夢中の条件は用意された遊びではなく、自ら遊びを作れること。遊び方のベースがあって、アレンジできる余白があるといいと思いました。


「いたいのいたいのとんでけ〜」は、プロダクトデザインというよりは、意味付け、定義が重要だと思います。(ねじさんの過去作品「PARK PEN」も公園の木の枝をペンにする発想)また、アイテムのこどもへのあげ方も重要で、ファミレスのおもちゃはそこでもらえるから魅力的であるように、特定の場所でもらえるという設定があるといいです。例えば歯医者などの設定があれば、デザインも作りやすい。

また「PAPAPARK(パパパーク)」は、今回やってみてアプローチを少し変えようと思いました。安全性の面から、持ち運べるような軽い素材では実装が難しいので、モバイル性に特化したアイデアの方向性ではない、と感じました。また、公園化するというよりも、親が遊具になるという発想に転換したいと思います。インタラクティブな遊具が子どもも夢中になりそうだなと思いました。


安全性の高いものからやろうかな……? プロトタイプを作るといろいろわかりますね。たとえ簡易的でも、得られることは多いです。
ねじさんたちはここからアワード応募に向けてさらにブラッシュアップを行うそうです。ここからどんなアイデアに磨かれていくのでしょうか。


全3回に渡ってレポートしてきたブルーパドルのプロダクト会議。みなさんのアイデアのヒントに活かしていただければ幸いです。
アワードの募集は7/31(火)まで! 挑戦者をお待ちしております!


AWRD編集部

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